2017年のセレクトセールも、大盛況のうちに終わりましたが、今回は特に超が付く高額馬が2頭も誕生してビックリしました。
今から馬主も関係者もファンも、今からデビューが待ち遠しいけど、心配なのは落札した金額ぐらいの活躍をしてくれるのかでしょう。
そこで今回は、過去に3億円を超える高額で落札されたセレクトセールの馬たちが、どんな結果になったのかをご紹介します。
たぶん馬主さんたちは、この結果を知っているかもしれないけど、絶対に欲しかったからこんな高額で落札したのかもしれません。
ちなみに、2017年のセレクトセールで3億円を超えた馬は2頭で、その2頭の今後がどうなるかも合わせてご紹介するので最後までご覧ください。
ブルーアヴェニューの2006(3億1,500万円)
フレンチデピュティ | Deputy Minister |
Mitterand | |
ブルーアヴェニュー | Classic Go Go |
Eliza Blue |
1頭目の高額馬は、2006年に高額で落札されたけど日本では走らず、海外で走った牡馬のブルーアヴェニューの2006。
血統を見ればすぐに分かる通り、全兄には3歳(当時は4歳)で、芝のNHKマイルCとジャパンカップダートを買ったクロフネがいます。
クロフネの全弟だったら期待する気持ちも分かるけど、他にもクロフネは全弟2頭と全妹1頭いて、3頭の獲得賞金を合わせても1,500万円に届きません。
ブルーアヴェニューの2006が、スゴくクロフネに似ていたから、3億1,500万円もの落札価格になってしまったかもしれませんね。
ブルーアヴェニューの2006は、フレンチブルーと言う名前に決まり1戦0勝のまま、競走馬の使命を終えたそうです。

アドマイヤハーレー(3億1,500万円)
クロフネ | フレンチデピュティ |
ブルーアヴェニュー | |
マイケイティーズ | サンデーサイレンス |
ケイティーズファースト |
2頭目の高額馬は、朝青龍のタニマチとして有名になった近藤利一氏が、2007年に落札した牡馬のアドマイヤハーレー。
こちらも血統が好きな人は、血統表を見みてすぐにアドマイヤハーレーが、年度代表馬に選ばれたアドマイヤムーンの弟だと分かったでしょう。
ちょうどアドマイヤムーンが大活躍した年に、アドマイヤハーレーがセリに出されたので、こんな高額の落札価格になってしまったのかもしれません。
ただし、結果はご承知の通りわずか2戦しか走っておらず、1着1回・3着1回の(1.0.1.0)で終わり、現在は乗馬になっているそうです。
獲得賞金額はわずか690万円だったので、単純に落札価格と賞金だけの計算だと、3億円以上の大赤字になってしまいました。

カーム(3億2,000万円)
サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |
フランクアーギュメント | Argument |
Franca |
3頭目の高額馬は、相馬眼を持つ男・サラブレッドクラブ・ラフィアン代表の岡田繁幸総帥が、2000年に落札した牡馬のカーム。
カームは、当時からかなり話題になっており、岡田繁幸総帥に「二度と出会えない名馬」とまで言わせた逸材の馬でした。
血統的に見ると、母のフランクアーギュメントがアメリカのG1で2着がある程度だけで、特質すべき血統の背景はありません。
戦歴は岡田繁幸総帥の言葉とは真逆になり、中央では3戦0勝のままで抹消されてから、地方でそこそこ活躍をして、今は種牡馬になっているそうです。
獲得賞金額は、中央だと0円で地方だと約750万円くらい、デビュー前に大きなケガをしたこともあり、全く活躍しないまま終わってしまいました。

ラストグルーヴ(3億7,800万円)
ディープインパクト | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | |
エアグルーヴ | トニービン |
ダイナカール |
4頭目の高額馬は、血統を見れば2011年に3億7,800万円で落札されるのも分かる、超良血で牝馬のラストグルーヴ。
父は2005年・2006年の年度代表馬のディープインパクト、母は1997年の年度代表馬のエアグルーヴ、普通に考えたら走るに決まっている血統です。
さらに姉には、エリザベス女王杯を2勝したアドマイヤグルーヴ 、兄にはクイーンエリザベスCを勝ったルーラーシップがおり3億円を超えるも納得。
しかし、戦歴はわずか1戦1勝で獲得賞金はわずか600万円、現在は繁殖牝馬になっていますが、全く活躍ができずに終わりました。
もともとラストグルーヴは、体質が弱かったらしいので、無理をして馬をダメにしてしまうなら、繁殖に上げた方が良いと判断したのかもしれませんね。

ザサンデーフサイチ(5億1,450万円)
ダンスインザダーク | サンデーサイレンス |
ダンシングキイ | |
エアグルーヴ | トニービン |
ダイナカール |
5頭目の高額馬は、2004年当時の国内史上最高額で落札された、あの有名な馬主の関口房郎氏が落札したザサンデーフサイチ。
血統は前述のラストグルーヴを見て分かる通り、超良血なので走るのを期待してしまいますが、当時から気になっていたのは父のダンスインザダーク。
正直に言って、母系は別としてダンスインザダークの仔に5億円は高すぎるし、落札したのが関口房郎氏だから、当時は全く期待していませんでした。
名前もテレビ番組から取って付けられたことを考えると、ザサンデーフサイチが活躍をすると思っていた人は、少なかった気がします。
そして予想通り41戦3勝で獲得賞金は約7,000万円、現在は種牡馬をしているらしいけど、ある意味では期待を裏切らない結果に終わってしまいました。

ディナシー(6億3,000万円)
キングカメハメハ | Kingmambo |
マンファス | |
トゥザヴィクトリー | サンデーサイレンス |
フェアリードール |
6頭目の高額馬は、2006年に落札されたときから2017年現在まで記録を保持している、国内史上最高額で牝馬のディナシー。
父のキングカメハメハは、NHKマイルCとダービーを勝った2冠馬で、母のトゥザヴィクトリーは、エリザベス女王杯を勝った名牝。
この2頭の組み合わせだとしても、牝馬で6億円を超えるのはちょっと異常かもしれませんが、セリのあった2006年は景気が良かったのでしょう。
しかし、6億円もしたディナシーも、今までご紹介した高額馬と同じように、全く活躍することなく未出走のまま終わります。
現在は繁殖牝馬になっていて、2017年7月の段階でデビューした3頭のうち2頭がJRAで勝っており、牝馬のミッキーディナシーが現役です。

ドナブリーニの2017(3億7,000万円)
ディープインパクト | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | |
ドナブリーニ | Bertolini |
Cal Norma’s Lady |
ここからは2017年のセレクトセールから、高額で落札された馬をご紹介しますが、まず1頭目はDMM.comが落札した牝馬のドナブリーニの2017。
ニュースでご承知の通りドナブリーニの2017は、G1を7勝して年度代表馬には2度もなった、あのジェンティルドンナの全妹。
DMM.comは、新規でクラブ馬主の設立するらしく、その目玉としてジェンティルドンナの全妹のドナブリーニの2017を落札したのでしょう。
血統を見ると、ジェンティルドンナの他に重賞勝ちがあるのはドナウブルーのみで、全兄のレゲンデは2年以上もレースから遠ざかり、全姉のベルダムは未勝利のまま抹消。
注目をしているのは、母のドナブリーニの産駒がほぼすべて石坂正厩舎に入厩をしており、新規参入のDMM.comがどこに入厩させるのかでしょう。

イルーシヴウェーヴの2017(5億8,000万円)
ディープインパクト | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | |
イルーシヴウェーヴ | Elusive City |
Multicolour Wave |
2017年のセレクトセールから、高額で落札された馬の2頭目は、2017年の段階で歴代の落札額2位に躍り出た牡馬のイルーシヴウェーヴの2017。
馬主は、2007年にアドマイヤハーレーを3億1,500万円で落札した近藤利一氏で、なにがなんでも落札するつもりだったらしいです。
母のイルーシヴウェーヴは、フランスの1000ギニー(日本で言う桜花賞)を勝っている名牝で、繁殖牝馬として2頭の産駒がいます。
父が怪物フランケルのイルーシヴハピネス、全姉になるイルーシヴグレイス、この2頭がいて2017年7月現在でイルーシヴハピネスがデビューしています。
しかし、イルーシヴハピネスは6着、9着と結果を出しておらず、全姉のイルーシヴグレイスが活躍しないと、かなりヤバそうな感じになりそうです。

まとめ
今回ご紹介したセレクトセールで落札された3億円を超えた高額馬6頭のその後!はどうでしたか?
過去の高額馬のその後を見れば、どうしても落札したかったのは分かるけど、近藤利一氏とDMM.comは失敗だったような気がします。
それでも、近藤利一氏とDMM.comの2頭だったら、ドナブリーニの2017の方がまだ可能性がありそうだけど、みなさんはどう思いますか?
もちろん馬主さんには悪いけど、本音としてはドナブリーニの2017もイルーシヴウェーヴの2017も、G3の重賞勝ちすら厳しいでしょうけど。
2頭の高額馬のデビューは、早くても2019年になるので、とりあえずはレースへ出走できるように無事に育って欲しいです。
