つい最近、NEWSポストセブンで、元巨人の広岡達朗氏が大田泰示放出は巨人の「恥」と言う記事を読みました。
東海大相模高校の頃から、大田泰示選手に注目していた自分としては、巨人に入団したときからかなり期待をしていた選手なので移籍したことはスゴく残念。
でも元巨人の広岡達朗氏が言うように、ドラフト1位で獲得した大田泰示選手を、日ハムへ放出したことは本当に恥なのでしょうか?
そこで今回は、かなり個人的な見解ではあるけど、広岡達朗氏の言う「大田泰示の放出は巨人の恥」が本当なのかを検証します。
今さら大田泰示選手を、巨人の戻すことはできませんが、「巨人の恥」と言ってしまうようなスゴい選手だったのでしょうか?
大田泰示の放出は巨人の「恥」であるの内容!
つまり、編成の問題です。巨人軍はもう大補強をすべきじゃない。補強に頼るばかりで、選手を育てられなくなってしまった。日本ハムにトレードで出した大田泰示がいい例ですが、今の巨人にはドラフト1位を育てる能力がない。移籍した途端に芽が出ようとしていて、このまま成長したら恥ですよ。上背も、肩も足もある逸材だったのに巨人のコーチは育てられなかったわけだから。このままじゃ巨人の復活なんてありませんよ。
引用:広岡達朗氏 大田泰示放出は巨人の「恥」である
URL:https://www.news-postseven.com/archives/20170612_563056.htm
週刊ポスト2017年6月23日号でこのような発言を、広岡達朗氏が書いているのですが、確かに一理ある部分が何か所かあります。
ドラフト1位の選手をトレードへ出すのは、本当に正しいことかと思うし、その選手がトレード先で素質が開花することに、育て方が正しかったのかと思ってしまいます。
ただし、大田泰示選手が巨人に在籍中の通算成績を見れば、例えドラフト1位だとしても、トレード要員になってしまうのは仕方がない部分もあります。
育て方の場合は、2000年以降のドラフト1位で高校生を獲得した選手を見れば、こちらも仕方がないような気がします。
2000年以降に巨人がドラフト1位で指名した高校生
年度 | 選手名 | ポジション |
2001年 | 真田裕貴 | 投手 |
2005年 | 辻内崇伸 | 投手 |
2006年 | 坂本勇人 | 内野手 |
2007年 | 藤村大介 | 内野手 |
2008年 | 大田泰示 | 内野手 |
2011年 | 松本竜也 | 投手 |
2014年 | 岡本和真 | 内野手 |
※高校生ドラフトを含む。
※ドラフト1順目もドラフト1位に含む。
この中で、活躍したと言えるのはショートのレギュラーで主将の坂本勇人選手だけで、だいぶ離された感じの次が藤村大介選手か真田裕貴選手でしょう。
2006年にドラフト1位で指名した坂本勇人選手から、まだ誰のレギュラーを獲得した選手も、1軍にずっと定着している選手も、出ていないのはちょっとマズいですね。
他球団がドラフト1位で指名した選手が、どのくらいの割合で活躍しているのかは分からないけど、巨人の場合は育て方がヘタなのかもしれません。

大田泰示選手の成績の比較!
日ハムでの大田泰示選手の成績は、2017年6月17日現在だと以下のようになっているのですが、巨人ファンには信じられない数字でしょう。
逆に日ハムファンは、巨人時代よりもちょっと打ってくれたら御の字だし、足や守備で貢献してくれたら良い程度に考えていたのでは。
もし2017年も巨人に在籍していて、この数字を残していたら1軍に定着できるだけでなく、左投手の場合はレギュラーになっていたかもしれません。
日ハムでの大田泰示選手の成績(2017年6月18日現在)
年度 | 試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
2017年 | 43 | 271 | 8 | 21 | 0 |
本塁打は8本をこえているのですが、巨人だと一番に打っている阿部選手の次で、2番目に打っている主将の坂本選手と同じ本数。
打席数を見ると、大田泰示選手の方が阿部選手や坂本選手よりも少ないから、数字だけで判断すると本塁打の価値は高い。
それでは、2009年から2016年まで在籍していた巨人時代だと、1年間の最高に打ったときの各打撃部門の成績は、どうなっているのでしょうか。
巨人での大田泰示選手の成績(各打撃部門の最高成績)
試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
62 (2016) | 277 (2015) | 4 (2016) | 13 (2016) | 4 (2014) |
カッコの中はその成績を残した年度で、ほぼ2015年か2016年になってしまいますが、打点と本塁打はすでにこえています。
巨人時代の通算本塁打は9本なので、このままの勢いだったら確実に抜くだろうし、最高の成績を残せそうな雰囲気です。
この成績を見るだけだと、ドラフト1位や松井秀喜選手の55番を継承したことを除けば、トレードへ出されても仕方がない気がします。

大田泰示選手が日ハムで活躍した背景!
「今までの自分は、ヒットを打とうとしてスイングが小さくなったり、右方向へ流そうとしたりしたが、なかなか結果が出なかった。今は自分の良さである強いスイングをしよう、と思えている」
引用:巨人から北の大地へ、大田泰示のびのび 起用方針奏功か
URL:http://www.asahi.com/articles/ASK68351PK68UTQP00L.html
日ハムの育成は、巨人とは違い長期的に見ているらしいので、大田泰示選手は上記のような発言ができるのでしょう。
それに日ハムと言う球団は、あまり選手を縛るようなことをするイメージがないので、大田泰示選手に合っていたのかもしれません。
大田泰示選手は甲子園には出場しなかったけど、ドラフト1位で指名されたこともあり、かなりのプレッシャーを感じていでしょう。
さらに松井秀喜選手が付けていた背番号55番も継承して、なにがなんでも松井秀喜選手のような活躍をしなければと思っていたはずです。
大田泰示選手にとっては、期待が重すぎてしまったことで自分を見失ってしまい、巨人では活躍ができなかったのかもしれませんね。

本当に大田泰示選手の放出は巨人の恥なのか?
ある意味ではここからが本題で、広岡達朗氏が言っている「大田泰示選手の放出は恥」は、本当に巨人の恥なのでしょうか。
広岡達朗氏は、大田泰示選手を育てられなかった巨人に問題があると言っているように、あれだけの素質のある選手を育てられなかったのは問題です。
でも、それは巨人に限ったことではなく、他の球団だって同じことが言えるし、逆に坂本勇人選手のように上手に育った場合もあります。
坂本勇人選手は、中日ドラゴンズが獲得した堂上直倫選手のハズレ1位で、当時の自分はあまり期待した選手ではありませんでした。
育て方が良ければ、坂本勇人選手のように活躍するけど、間違ってしまうと大田泰示選手なケースにもなるので、これは仕方がないこと。
選手が上手に育てられるかどうかは、松井秀喜選手や坂本勇人選手のように、入団したときの監督やコーチ次第で決まってしまう部分が大きいですから。
それを踏まえると個人的な考えですが、大田泰示選手の放出は「恥」ではなく、大田泰示選手には運がなかったや巡り合わせが悪かっただけなのかもしれません。
それとちょっと疑問なのが、育て方は別にして2009年から2016年の成績を見ても広岡達朗氏は、大田泰示選手をトレードへ出すべきではないと言えたのでしょうか。

まとめ
今回ご紹介した広岡達朗氏の言う「大田泰示の放出は巨人の恥」が本当なのかを検証!はどうでしたか?
個人的には、初めて高校時代に見た元ヤンキースのジーター選手のような打撃フォームが好きだったので、あのフォームのままだったらと思う部分はあります。
それにもっと違う育て方をしたら、大田泰示選手が活躍していたかもしれませんが、それは運や巡り合わせが悪くて無理だったので仕方がないでしょう。
大田泰示選手が活躍することで、巨人は「恥」とは思わず素質のある選手を、どのように育てるべきかを考える良い機会だったととらえて欲しいです。
